A-10A O/A-10A A-10C
【THUNDERBOLT II - サンダーボルト2】
A-10サンダーボルト2は主に対戦車・対装甲車両を目的とした近接航空支援専用攻撃機である。
【開発】
その開発は1967年3月6日に提示された近接航空支援の専門機の開発を目的とした次期攻撃機計画A-Xの要求提案書に始まる。A-Xに提示された条件は
- 口径30mmを持つガトリングガンの装備。
- 16,000ポンド以上の兵装搭載量。
- 未整備・未舗装の野戦滑走路から離着陸能力。
- 短距離離着陸能力。
- 多少の被弾にも耐える生存性。
- 低速・低高度における高い運動性。
- 長時間の戦場ロイタリング。
- 安価、かつ高い整備性。
- 防弾バブルキャノピーによる広い視野
以上であり、高い速度性能や長大な戦闘行動半径、全天候能力、高度な電子機器類など通常ジェット攻撃機に求められる要求は皆無であり、近接航空支援機に高速度や長航続距離など、このような性能は無用の長物であった。
極端に言い換えれば第二次世界大戦時の単発攻撃機をそのままジェット化した機を求められていたのであって、事実A-Xは第二次世界大戦時に設計された単発のA-1スカイレーダーの任務を引き継ぐ後継として開発されていた。
1960年代当時ベトナムの戦場では、熱帯気候で整備もままならなず稼働率が低下しつづけた高度な音速ジェット戦闘機を差し置き、第二次世界大戦末から設計されたレシプロエンジンを搭載したA-1スカイレーダーが意外にも大きな戦果をあげていた。A-Xに求められていた物はA-1の近代化。まさにそれであった。
A-X計画にはフェアチャイルド、ノースロップ、ジェネラルダイナミクス、グラマンがA-X仕様を提案。うちフェアチャイルド社のYA-10(A-10)とノースロップ社のYA-9に絞られ試作機が製造された。
試作機は1972年5月10日に初飛行しYA-10Aの名称が与えられた。一見古く見えるA-10だがF-14,15よりも新しい飛行機である。
YA-9Aとのコンペテンションに勝利したYA-10はA-10A
DT/Eとして6機が発注され、既に空軍で運用されたA-7コルセアIIとの性能試験が行われたが、これはほとんど出来レースであった。
量産型A-10Aの初飛行は1975年10月21日に行われ、A-10A
DT/Eを含む739機の生産予定が組まれた。しかし資金調達面での問題により1983年に713機を生産し終了している。
【機体構造】
極度な要求仕様から生まれた攻撃機の形状はやはり極度であった。
エンジンはジェネラルエレクトリックTF34-GE-100高バイパス・ターボファンエンジンであり、6:4のバイパス比を持ち670kgの重量で40.2KNと推力重量比が高い。軍用の攻撃機に高速度においてハンデのある高バイパスのターボファンエンジンを搭載するのは極めて異例である。これも高速を求められなかった為であり、高燃費を実現している。A-10はTF34を背負うように双発で搭載している。これも心臓部となるエンジンが被弾する可能性を抑えるための措置であり、両基を格納したエンジンポッドを離れて配置することにより同時被弾する可能性を下げている。また非舗装の滑走路を使用時に異物混入を防ぐ目的も兼ねている。
なお同エンジンはS-3バイキング艦載哨戒機や、民間機型CF34がボンバルディアCRJ-100/200
CRJ-700/900など50〜70人乗りのジェット旅客機に装備されている。よって騒音は低いレベルであり湾岸戦争ではA-10「静かなるガン」とイラク軍に恐れられていた。
超音速を要求されていない同機に衝撃波を遅らせる後退翼は必要なく、仕様に求められていたSTOL性能、戦場ロイタリング、運動性、整備性、安価なコスト、その全てを満たすには方持ち低翼、アスペクト比が極めて大きな矩形翼(直線翼)に、大きな兵装搭載量と被弾に耐えうるため中央部・外板の基部はNACA6716、翼端NACA6713の層流翼で高い最大翼厚を持つ主翼が有利であった。
翼端には上下に開く2枚の面積の広いエルロンを備え、高いロール率を持ち、エルロンのすべてを展開することによりエアブレーキとしても機能する。
主降着装置は主翼下のフェアリングに完全な引き込み式ではなく半収納が行われている。完全に格納しないことにより重力を利用した車輪の展開が可能で、可能な限り胴体着陸をしなくて済むように設計されており安全性を確保することができる。当然抗力は増加するが速度を求められていない同機にはさほど問題にはならない。前降着装置は機首部右弦側に配置されている。後述するGAU-8アヴェンジャーを機首部に装備するための処置である。
操縦系統は油圧二重バックアップを持つ。万が一それらが失われた場合、操縦桿から操縦することは不可能になるが、サーボタブを介することにより手動で舵を動かすことができる。よって油圧に頼らない人力での操縦も可能であり、実際に油圧をすべて失ったにもかかわらず着陸した事例もある。
湾岸戦争では被弾し油圧系統の一部が損傷した本機のロッド部を「ホウキの柄(掃除用具の)」で代用し出撃可能状態にするという緊急処置を行った事例が報告されているなど、酷い損傷を受けても数日で再び稼動状態にすることができる。平均稼働率は95%に達していた。F-15やF-16も94-95%の高い水準であったが、A-10は他の攻撃機に比べ酷い損傷を受け続けていたにも関わらずである。
コックピット全周や燃料タンク・機関砲弾倉といった最重要区画には保護を目的とした13mm〜38mmの合計1310kgにも達するチタニウム装甲を装備し、コックピットを覆う風呂桶と揶揄される装甲は最大で23mm砲の弾丸に耐えると言われている。また自動防漏式タンクを備え燃料流出を食い止める。
A-10の構造は全てが被弾が前提になっていると言っても過言ではく、頑丈かつ堅牢で有名であった第二次大戦機P-47'サンダーボルト'の名に恥じない防弾性能を備えた。古今A-10サンダーボルトIIに匹敵する防弾性能を持つ航空機は存在しない。
以上のように重装甲でサイズのわりには自重が高いが大きな主翼で低翼面過重とあいまって低速・低空での旋回性は戦闘機をも上回り、AAAの回避に一役買っている。過重制限いっぱいに旋回することはまずあり得ないが最大で8Gをかけることが可能だ。
【兵装】
A-10は固定武装は機首部にGAU-8/Aアヴェンジャー
30mmガトリングガンを装備する。
GAU-8は徹甲・燃焼弾PGU-14を使用し、最大1350発を装備が可能。弾芯に重く発火性の高い廃棄されたウラン238の合金を使用するいわゆる劣化ウラン弾である。GAU-8から発射されるPGU-14は425グラムの質量を持ち、射距離3.5nm(6,500m)以内であればあらゆる戦車の上面装甲を貫通することができるとされているが、実際この距離で発射しても命中は期待できない。実質な射距離は1000m-2000m前後である。
砲身の回転駆動にはA-10本体の油圧系システムを動力源とする独立した77馬力の左右油圧モーターを2基必用とし、HIGHモードで最大4200発/分。LOWモードでは右油圧モーターのみが駆動し2100発/分で発射が可能である。仮に右油圧モーターが破損した場合は左油圧モーターでLOWモード駆動が可能となっている。
ガトリングガンの宿命である発射直後の低連射性能や弾道の不安定さは例外なく持ち合わせている。本機のガトリングガンは射撃時に砲身が回転するためトルクで右に押しやられてしまう。そのためやや左弦よりの位置に左に2度傾け配置されている。
砲身の安定した回転まで0.55秒を要すが、1000mの射距離で5mの円内に80%が着弾する集弾率を持ち、M61バルカン砲よりも精度が高い。
1回の射撃は通常0.5秒〜2秒程度の射撃を短時間で繰り返すことにより1回の攻撃アプローチで合計8秒の射撃が可能であるが、砲身の加熱により1分間の風速冷却が必要となる。
GAU-8/Aアヴェンジャーは世界で最強の航空機搭載機関砲であることに疑いの余地はなく、その発射反動はすさまじく「ガンを発射するとA-10は減速する」など冗談めかして言われるが、これは作り話などの類ではなく、紛れも無い事実である。
減速とは言っても僅か数ノットでありガンの発射に伴う減速がSAMやAAAなどの脅威に対し脆弱性をもたらすという深刻なレベルではない。また、減速するのは水平飛行での場合であって、通常地上目標に対して発砲する場合は降下しつつガンを発射するため、加速を抑制することはあっても減速するとまで言うにはややオーバーであろう。
湾岸戦争ではPGU-14を78万3514発を発射し劣化ウラン弾の発射数をトン数で比較するとM1エイブラムスの9倍を発射した。これこそが前述の「静かなるガン」と呼ばれた所以である。
なお、同GAU-8をガンポッド式にしたGPU-5/Aペイヴクロウが州兵空軍のF-16A(F/A-18に対抗して州兵ではF/A-16と呼ばれる)に搭載され、試験的に湾岸戦争に投入されたが、低空を低速度で飛行する機銃掃射任務はF-16の皆無の装甲では被弾に弱く、損失こそ無かったが損傷が激しかったため、その後の実用にはいたらなかった。
その他の兵装は主翼下面に左右それぞれ4箇所、(うち片翼1箇所は降着装置フェアリングの内側)、胴体下3箇所合計11箇所のハードポイントに装備され、16,000lbs(7,257kg)のペイロード搭載能力を持つ。
その中でも主要なものがAGM-65B/AGM-65Dマーベリック可視光TV誘導/赤外線TV誘導対戦車ミサイルである。同ミサイルは第4次中東戦争でAGM-65A
TV誘導型が初使用され80%の高命中率を記録した。コックピット正面パネル右側にはAGM-65シーカーのロックオンを行う専用のモニターが配置されている(拡大写真)。MFDではないため、飛行状況を表示することはできない。AGM-65のシーカーを使用し赤外線前方監視装置(FLIR)として機能させることも可能である。湾岸戦争においては5500発が発射され、うち87%にあたる4800発をA-10が発射した。
イラク軍の車両はAGM-65を使用し一撃で破壊することができたが、残念なことにA-10がイギリス軍の装甲車両を誤射し乗員7名が死亡する事故も発生している。湾岸戦争に投入されたB/D型はA型に比較し2倍のズームが可能となったが、実際コックピット上から目標を補足するにはA型でごま粒大に映る地上車両からB/Dで豆粒大の大きさになった程度に過ぎず、空中から地上の目標を正しく認識することは極めて難しい。
ましてやA-10は単座である。操縦しつつAGM-65のシーカーを操作し発射する作業を行うのには困難を伴った。パイロットの言を借りれば「実際には簡単であり問題はない」と言うが、A-10に限らずF-16,18といった攻撃機でも同様にワークロードの過負荷が問題になっている。
また発展型のAGM-65K/G型も運用されている。
他の兵装についてはMk82 500lb爆弾を24発搭載可能と大きなペイロードを持つが、下の搭載兵装に記す。
【実戦での戦果〜今後のA-10】
度々湾岸戦争の例を持ち出したが、A-10サンダーボルトIIが最初に実戦投入され、最も戦果を挙げたのがこの航空戦である。
まず結果を述べるとA-10は144機が展開し、8,100ソーティーを飛行し、戦車・装甲車両を1000両破壊、その他の車両を2000両破壊、火砲1200門破壊、そして30mm機関砲により2機のヘリコプターを撃墜する大戦果を挙げた。ただ、湾岸戦争後に発表された空軍の戦果はイラク軍が保有する数より多いなどの数値的に矛盾が生じており、イラク軍が儀装バルーンを使用するなどして欺瞞されていた。また既に沈黙した車両に対しての再攻撃してしまったことなどは日常的にあり、実際の戦果としてこの数値を信用するのは危険である。
対するA-10の損害は5機が被撃墜、6機が修復不可能の損傷と、決して少ない数字ではない。
A-10の近接航空支援機としての攻撃力は紛れも無く世界でトップである。しかし、低速性能が故にAAA、特に目覚しい進歩を続けるSAMに対する防御力は脆弱であった。たしかにエンジンの配置や装甲板を装備するなど被弾した場合の頑丈さは他の追随を許さず、翼の2/3が失われた、260発を被弾した、油圧が全て吹き飛んだなどの悪条件においてもA-10の頑丈性により帰還できた例も少なくなかった。が、飛行機である以上、これら対空火器の被弾に対する防御力を高めるには限界が存在する。
湾岸戦争前からA-10はその低速さから十分なAAA,SAMが配備される戦場を生き延びることは出来ないという疑問があがっていた。事実A-10と同クラスのソビエトのスホーイ設計局Su-25フロッグフット攻撃機がアフガニスタン戦争、イランイラク戦争において地対空ミサイルなどで大きな損害を出していた。
そしてその懸念は的中した。戦線奥に位置するイラク軍の最精鋭フセイン大統領警護隊と呼ばれたメディナ師団と交戦したA-10の2機編隊は、SA-13ゴファー(ソビエト名9k35ストレラ10)によって1機が撃墜された。脱出した僚機パイロットの戦闘捜索救難を支援するため現場に引き返したA-10は、再びSA-13に撃たれ撃墜された。ほんの数分の間に2機が撃墜されてしまったのである。
これ以降深部に位置する戦車師団に対してA-10が投入されることは無くなり、F-16など高速の攻撃機が割り当てられることとなった。
だが、本来A-10には空中給油を受け戦線奥の充実した装備を持つ部隊への攻撃を行う任務は想定されていない。A-10には荷が重過ぎる任務であり、投入する状況が悪かった。先にも述べたがこの損失は近接攻撃機としての能力を否定するものではない。本機は湾岸戦争を通じ最前線の歩兵師団に対し主に使用され、昼間スカッド狩り、近接航空支援、前線航空統制、戦闘捜索救難などの任務に大きな価値を見出している。直接的な数値は上記したとおりである。
一時期「A-10とAH-64があれば戦車など無用の長物」であると囁かれたが、明らかなる過剰評価だ。戦車より圧倒的に被弾に弱いA-10やガンシップヘリコプターなどの航空機では戦線を維持することはできない。2003年のイラク戦争においてもA-10とAH-64は対空火器の攻撃により相当の損傷を受け米軍は頭を悩ませている。
湾岸戦争以外に、旧ユーゴスラビア(現セルビアモンテネグロ・ボスニアヘルツェゴビナ)、アフガニスタン、イラク戦争にも投入された。
現在空軍で就役中のA-10は生産数のおよそ半数の三百数十機程度であるが、改装が続けられ、1980年ころより段階的に低高度を飛翔する同機の生存性確保のため電子戦ポッドの搭載、墜落回避システム(GCAS)、またナイトビジョンゴーグルによる夜間攻撃能力の付加、それによる編隊灯の装備など、当初に比較し生存性・全天候攻撃能力が向上している。
A-10を短距離SAMや十分なAAAで守られた陸軍部隊に対しての攻撃に投入するのは自殺行為であるが、そうではない部隊にはA-10ほどの適正を持った攻撃機は存在しない。特に対テロ戦争が叫ばれる今日に於いて地対空火器に充実した勢力と米軍が交戦する可能性は徐々に減りつつある。幸にも不幸にも、敬意を込めて'醜いワートホッグ'(イボイノシシ)と呼ばれる本機が戦果をあげる土壌は多く残されている。
本機の後継にはF-35B STOVL型JSFの名が挙がっているが、運用寿命はまだ十分残されており代替機については20年先の話である。
A-10から派生したバリエーションに前線航空統制機OA-10、全天候攻撃型YA-10B
N/AW、C4Iを強化したA-10Cなどが存在し、下記派生型項でそれぞれ解説する。
性能諸元
名称 |
A-10A/OA-10A サンダーボルト2 |
製造 |
フェアチャイルド・リパブリック(2002年に倒産) |
主任務 |
攻撃機・前線航空統制機 |
全長 |
16.26m(53ft4in) |
全幅 |
17.53m(57ft6in) |
全高 |
4.47m(14ft8in) |
主翼面積 |
47.4m^2(506ftm^2) |
アスペクト比 |
6.54 |
翼型 |
中央部・外板基部:NACA6716
翼端:NACA6713
(層流翼) |
最大翼面荷重 |
449.88Kg/m^2(フルペイロード) |
乾燥重量 |
10,600Kg(23,370lb) |
最大離陸重量 |
21,500Kg(47,400lb) |
最大搭載量 |
7,257Kg(16,000lb) |
燃料搭載量 |
内部タンク:4,853Kg(10700lb) |
巡航速度 |
海面高度 :300kt(569Km/h)
5000ft(1525m):342kt(648Km/h) |
最高速度 |
450kt(852Km/h)
Mk82×6発搭載時:385kt(729Km/h) |
実用上昇高度 |
45,000ft(13,636m) |
離陸距離 |
最大離陸重量時:4,500ft(1,372m)
野戦発着重量時:1,400ft(426m) |
着陸距離 |
最大離陸重量時:2,500ft(762m)
野戦発着重量時:1,200ft(382m) |
航続距離 |
増槽付きフェリー時:2250nm(4200Km) |
戦闘半径 |
近接支援:2時間
武装偵察:400nm(740Km)
侵攻爆撃:540nm(1,000Km) |
エンジン |
ジェネラルエレクトリックTF34-GE-100
高バイパス・ターボファンエンジン:40.2KN |
固定武装 |
GAU-8/A アヴェンジャー 7砲身30mmガトリングガン
PGU-14劣化ウラン弾×1350発 |
初飛行 |
YA-10A:1972年5月10日
A-10A:1975年10月21日 |
乗員 |
パイロット1名 |
生産数 |
当初予定:739機
実生産数:713機(1983年終了) |
固定兵装・ガン |
空対空兵装 |
空対地兵装 |
アビオニクス類 |
GAU-8/A アヴェンジャー
PGU-14劣化ウラン弾×1350発 |
AIM-9L/M |
対戦車ミサイル
AGM-65A/B/D/G/K |
AN/ALR-46/49/69/74
RWRレーダー警戒受信機 |
|
AIM-9X |
対戦車ミサイル
AGM-65A/B/D/G/K |
AN/ALQ-213EWMS
電子戦マネージメントシステム |
|
|
通常爆弾/落下遅延通常爆弾
Mk82/84 |
AN/ARC-186/205/222
ラジオ無線機 |
|
|
レーザー誘導爆弾
GBU-12/GBU-10 |
AN/APX-101 IFF
敵味方識別装置 |
|
|
JDAM
GBU-31/GBU-38 |
AN/AAS-35ペイブペニー
レーザー照射ポッド |
|
|
クラスター爆弾
CBU-52/59(Mk20)/58/87/89/97/105 |
AN/ALQ-132IRCMポッド |
|
|
ナパーム爆弾CBU-71 |
AN/ALQ-119/131/136/
184/189/ECMポッド |
|
|
BLU-107デュランダール
対滑走路爆弾 |
AN/AAQ-14 照準LANTIRN |
|
|
LAU-3/LAU-61 2.75inロケット弾ポッド |
SUU-25フレアディスペンサー |
|
|
SUU-23バルカン砲ポッド |
|
パイロン |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
AIM-9※1 |
○○ |
○○ |
○○ |
○○ |
○○ |
|
○○ |
○○ |
○○ |
○○ |
○○ |
LAU-61
19連2.75inロケット |
|
○ |
○○
○ |
○ |
○ |
|
○ |
○ |
○○
○ |
○ |
|
Mk82,78,20
CBU52/58/71
/87/89/97/105
GBU12/38
(500lb級爆弾) |
|
○○
○ |
○○
○ |
○○
○ |
○○
○ |
○○
※2 |
○○
○ |
○○
○ |
○○
○ |
○○
○ |
|
Mk84 GBU10 GBU38 |
|
|
|
○ |
○ |
○
※2 |
○ |
○ |
|
|
|
AGM-65A/B |
|
|
○○ |
○ |
○ |
|
○ |
○ |
○○ |
|
|
AGM-65K/G |
|
|
○○
○ |
○ |
○ |
|
○ |
○ |
○○
○ |
|
|
各ポッド |
ECM
○ |
○ |
|
|
FLIR
○ |
○
※2 |
|
|
|
○ |
ECM
○ |
落下タンク |
|
|
|
○ |
|
○
※2 |
|
○ |
|
|
|
A-10 兵装搭載例 |
近接航空支援
(CAS) |
AIM9
○○ |
LAU61
○ |
Mk20
○ |
AGM65
○ |
Mk82
○ |
|
Mk82
○ |
AGM65
○ |
Mk20
○ |
ECM
○ |
ECM
○ |
野戦発着時 |
AIM9
○ |
LAU61
○ |
|
Mk82
○ |
|
|
|
Mk20
○ |
|
AGM65
○ |
ECM
○ |
ストライク(INT) |
AIM9
○○ |
|
GBU12
○ |
増槽 |
FLIR |
増槽 |
|
増槽 |
GBU12
○ |
AAS35
○ |
ECM
○ |
TOP写真※3 |
AIM9
○○ |
|
AGM65 |
Mk82 |
Mk82 |
|
Mk82 |
Mk82 |
AGM65 |
LAU61 |
ECM |
※1:AIM-9は最大で1番11番に2発ずつ4発のみのデータもあり。事実上は最大4発が正しいと思われる。
※2:胴体下5,7番に兵装を搭載する場合6番(中央)は使用不可能になる。
※3:それぞれAIM-9L AGM-65D Mk82スネークアイ高抗力爆弾
ALQ-131ECMジャミングポッド
●A-10A
基本形。単座。
●O/A-10A
本機はA-10Aと相違は無い。前線航空統制機(FAC)としての任務を課せられるA-10をO/A-10と呼ぶ。
あえて特徴をあげるとするならば、目標指示用に発煙ロケット弾が装填された2.75inロケットポッドを必ず装備する。
OV-10を代替した。
●YA-10B A-10N/AW
全天候型A-10。複座練習機。1975年5月4日初飛行。
本YA-10Bはフェアチャイルド社が自社開発した複座・全天候・ナイトアタック
サンダーボルトである。 YA-10B仕様の単座型(製作されず)とあわせて輸出が見込まれていたが、量産には至らなかった。
1979年には空軍のA-10N/AWとして合計48.6時間の飛行試験を受けた。NA/WとはNight/Adverse
Weather、すなわち夜間・全天候を意味する。
レーダーの搭載や前方赤外線装置などアビオニクスの強化。さらに複座化したことによりさらなる高度な攻撃能力を実現する予定であった。外見上はACES-II射出座席を備え複座化したこと、機首部にレドーム、垂直尾翼が50cm高くなっていることがあげられる。
前・後席を確保するため、ガトリングガンの弾倉が小型化しており1350→750発に減少している。
追加のアビオニクス類は以下のとおりである。
- ハネウェル・ウェスティングハウス製WX-50対地レーダー
- テキサスインスツルメンツ製AAR-42赤外線前方監視装置
- リットン製LN-39慣性航法装置
- ハネウェル・ウェスティングハウス製AN/APN-194電波高度計
- AIリサーチ製デジタル航法コンピュータ
- フェランティ製105レーザー測距装置
- カイザー社製広角ヘッドアップディスプレイ
量産こそされなかったが、A-10AのLASTE改修に大きな影響を与えている。
●A-10C
主にC4Iの強化を目的とするA-10Aの改修機。米国フロリダ州エグリン空軍基地で、2005年1月20日に初飛行した。
LINK16 JTIDS/MIDSを搭載し四軍標準データリンク網にアクセスすることが可能となった。これによりJ-STARSや陸軍との通信能力が飛躍的に向上する。より的確な近接航空支援、脅威情報を得ることにより、攻撃能力・生存性が高まることが予想される。
また、コックピットに2基のMFDの追加、操縦桿はF-16Cと同じ形状(サイドスティックではない)、スロットルレバーはF-15,18と同じ形状に変更となりHOTASに対応、ヘルメットマウンテッドサイト(HMS/JHMCS)を搭載し、大きく改良を受けている。
主翼外版や装甲版の換装など機体構造面の改修により12000飛行時間までの耐用年数の延長され、ほとんどFCSやソフトウェアが一新されておりLITENING,SNIPER-XRといった新型FLIRの搭載が可能になりGPS誘導爆弾JDAM、風偏差修正クラスター爆弾、AIM-9Xの運用能力を得る。
よって陸軍の分隊が所有するLINK16端末から正確な航空支援要請位置を受け取り、FLIRポッドで座標を確認、JDAMの座標をプリセット、もしくはレーザー誘導爆弾への目標指示し正確な近接航空支援を実施することが可能である。
およそ200機が改修をうけるため3億ドルの予算が計上されているが、今後どのようになるか不透明である。
なお、不恰好に飛び出ているのは試験用のピトー管であり、他の改修機には反映されないと思われる。
配備国
●アメリカ空軍・州兵空軍
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